初めてエロ本を見たとき。
フツーの中学生やってるつもりだったけど私もまだまだ子供だったみたいだと、
急に笑いがこみ上げた。
私の心が知ってるものをひとつづつ
指で触れて確かめてく。
そうやって私はいつか、知りたくもないものまで知ってしまうのでしょうか・・・?
ア メ リ カ ザ リ ガ ニ
「見ろよ、ザリガニ!」
私と卓はともだちです。
「うっさいなー、どこにでもいるよそんなもん」
「なんだよ、もう少し感動しろよ、カンドー」
「オヤジ」
男友達でも女友達でもなく。
「わ!ザリガニだよ卓!」
「お前、サイテー!!(さっきのテンションはなんだよ!)」
友達というシンプルな言葉で私たちの間柄を呼べる期間がもう時期終わろうとしているのを、私は知っている。
知ってて、見ないフリ。だって。
「喜んでんぜ、こいつら。ピーッス!」
「バカ、威嚇してんでしょ」
「げっマジかよ!」
私たちはなんですか?
「なあお前らって付き合ってんの?」
弁当の時間のことだった。
唐突なその言葉に、俺は危なく牛乳パックの角から手を滑らせる所だった。
「な、何言ってんの?仁島お前が宮浦のこと好きなんだろ!」
「あっれ、いつもなんて呼んでるっけ?」
「愛しの要ちゃーん」
「わっ!」
おかしなことを口走りながら急に出てきた要はニヤニヤと俺の方を見た。
「ホントの所、どうなわけ?藤沢と宮浦、どうなん?」
「どうなん?」
要まで仁島の真似をして聞いてくる。
卓顔赤いとか、他人事のように笑いながら。
「あー、付き合ってる」
「「は!?マジ!?」」
仁島と要の声が見事にシンクロした。
「ねえ卓」
ザリガニを正面から捕まえようと水をガしゃがしゃやりながら要は呟いた。
さっきまでザリガニを馬鹿にしてたくせに。
「あー?」
バカめ、ザリガニはエビの仲間だから後ろに逃げるんだよ。
いつもならそう言っただろうけど、俺は要の言葉の続きの方が気になった。
「私たちともだちだよね?」
うなじが焼けるようだった。
夕日はさっきから照りつけているのに、思い出したように熱かった。
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